映画『愚行録』を観ました
昨日の記事から読んでいただけるとありがたいです。
愚行録/貫井徳郎 を読みました - 無知蒙昧
しょっぱなからネタバレあります。
公式サイトはこちら↓
映画『愚行録』公式サイト
原作を綺麗に膨らませた映画化
映画よかった!!!!!
全体的にくすんでいるのに薄明るい色味が、ゆるく鬱っぽい感じを醸し出しているように思えました。
とりあえず妻夫木聡の横顔が美しかったです。
さすがに時間が足りなかったのか事件に直接関係なかったからか、いくつかのエピソードは削られていましたが、それでも違和感なく観ることができました。
反対に足された部分もありましたね。
田中さんが宮村さんをさらっと殺したあと、灰皿入れに尾形さんの煙草の吸い殻をシュートするシーン。
あれだけで一気にサスペンスっぽい雰囲気が足されてとてもよかったです。
シンプルに分かりやすく田中さんの狡猾さを示しているというか…
原作がいい意味で淡々としすぎてるので、ちゃんと映画化する意味があってよかったな〜と思いました。
説明無しにどんどん進んでいく感じは、原作の雰囲気が残されていてまた良き。
田中さんの表情が最高
終始もう勘弁してくれって顔してるのがほんと最高。
横顔最高。
はじめと終わりのバスのシーン、表情はほとんど変わらないんですけど行動がちゃんと対比されてて好きです。
溜め息つきながら喋るのもいい……厭世観丸出し……
宮村さんがやっぱりすき
原作読んだ時点で1番好きだった宮村さん。
やっぱり彼女のかませ感がたまらなかったです。ただ演じる臼田あさ美さんがやたら綺麗なので、こいつ許せない感は原作より少なかったです。笑
「やめてよ、人のせいにするの」
宮村さんがスタッフを叱るシーンも追加されていました。人間性が端的に表現されててよい……この映画の原作にはなかったシーンに外れはない……
それを聞いていた田中さんの呆れたような見下したような表情も最高です。
あと学生時代の彼女すんごい髪の毛さらさらでびびりました。美人。
光子にまとわりつく手がホラー
露出の少ない長袖長ズボンを身につけた光子と、謎の手にまとわりつかれる裸の光子の対比すごいと思いました。
ただ無表情で手にのまれていく満島ひかりさんの演技に、台詞も動きも何も無いのに圧を感じました。
ところどころに散りばめられた対比がいい
他人の愚かさを語る人間の愚かさってことなんでしょうか。
宮村さん&尾形さんの対談シーンが交互なのも、光子が白背景右向きで田中さんが黒背景左向きなのも意味深。
この映画はいろんなことを直接的にキャラクターに言わせず、カメラワークでぼかして伝えてくる感じがしました。
おわりに
いつもより内容が薄いですがこの作品をフィーチャーしたい気持ちは十分にあります。笑
原作とは展開が違いますが(特に最後の方)、それでも観てよかったなと思える素敵な映画化でした。監督さんは今作が長編デビューらしいので、また次の長編があればぜひ見てみたいです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。