SRO1 警視庁広域捜査専任特別調査室/富樫倫太郎 を読みました
軽い読みやすさはテレビドラマのよう
私にとって初富樫倫太郎作品。
キャラ立ち、ストーリーのテンポがテレビドラマのようでとても馴染みやすいです。分かりにくいところがひとつもない。
警察小説初心者におすすめという感じ。
警視庁に新設された広域捜査専任特別調査室、通称「SRO」。総勢7名の小所帯にもかかわらず5人がキャリアという、管轄の枠を越えた花形部署のはずが、その内実は訳ありだった。山梨で発見された白骨死体をきっかけに、史上最凶の連続殺人犯「ドクター」を追う調査員たち。警察組織の限界に迫る、新時代警察小説の登場。
登場人物の個性が分かりやすいし、出てくる人数もそんなに多くないので混乱することもありません。
普通じゃない新部署っていう設定が個人的に結構すき。(ドラマ『SPEC』とか)
キャラクターを書きたい感じがある
当然主観ですが。
事件よりもキャラクターというか、警察組織のいろいろを書きたい感じを受けました。
これはシリーズものなので、1巻はメンバー紹介という感じなのかな?
勿論ストーリーは事件の捜査中心で進んでいくので、キャラ紹介ばかりで展開がだれるようなことは無いです。
尾形さん針井さんコンビがかわいい
ネタバレを極力避けてでもおすすめしたいのがこのふたり。すごいいいから。取り敢えず読んでほしい。
ふわっと説明しますと、2人とも結構反発的だったりトラウマ持ちだったりするけど、SROで過ごすうちに事件の捜査に協力的になっていくタイプの人です。跳ねっ返りからの協力です。
特に尾形さんは公式ツンデレ。
以下踏み込んだ感想です。
ネタバレあります。
ちゃんとみんなに裏があるのがよい
唯一新九郎さんは裏表ない感じしますけどね。
麗子さんは事件絡みではないけど絶対に人に言えない秘密を持っているし、ただひとりまともそうだった川久保さんもちゃんとスパイしててよい。
特に富田さんの裏ボス感がドラマっぽくていいです。
針井さんの前世は多分名探偵
針井さんのゆくところ事件あり!
いいよーそのどんどんトラウマ抱えてく感じ。何度もいうけど1番すきなキャラクターです。
シリアルキラーはこうだという定義
作中何度も新九郎さんから発言される、「シリアルキラーは〜〜という特徴を持っている」「〜〜はシリアルキラーの習性」みたいな定義。
正直言って結構苛々しました。
いや分かるよ、統計的にはシリアルキラーは異性を殺すし同性を殺す時は止む無くの時だし、保守的で頑固だし、手口を変えることは少ないのは分かるよ。
でもそれをさも全てのシリアルキラーの特徴みたいに言うのは本当にやめてほしい。一応全てがこういう訳ではないって予防線張りながら喋る時もあるけど、これはかなり決めつけで喋ってはいないか?
日本にシリアルキラーがいないというのが決めつけならシリアルキラーの特徴を定めることも決めつけだと思います。
帰納法的な捜査をする(犯人はシリアルキラーかもしれない)のと、シリアルキラーの特徴を決めつけて捜査をする(シリアルキラーならこうするはずという予測)のは違うのでは。
結果上手くいったからいいけどさ。
そもそもエド・ゲインはそこで引き合いに出されるようなシリアルキラーなのかな麗子さん……
有名なのはその奇行であって殺しじゃないでしょ……
突然の犯人サイド視点
上でぐちぐち言ってしまいましたが、ご都合主義的展開はあまり気にならなかったです。
突然出てきた夫婦が明らかに犯人だとは分かるんだけど、それがつまらないという訳ではない。寧ろいよいよキターーという感じ。
沙織さんが捕まったのは笑いましたが、こういう展開もたまにはいいですね。定期的にこういうドラマが観たくなる。
おわりに
なんと4巻+エピソード0まで家に揃っているので、続きも読んでみようかなと思ってます。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。